February 07, 2013

Liszt - Harmonies poétiques et religieuses - Andrea Bonatta

アンドレア・ボナッタ 

Liszt - Harmonies poétiques et religieuses 

bonatta harmonies

Disc.1
  詩的で宗教的な調べ S.173
1. 第1番 祈り
2. 第2番 アヴェ・マリア
3. 第3番 孤独の中の神の祝福
4. 第4番 死者の追憶
5. 第5番 主の祈り

Disc.2
  詩的で宗教的な調べ S.173 
1. 第6番 眠りから覚めた御子への讃歌
2. 第7番 葬送曲
3. 第8番 パレストリーナによるミゼレーレ
4. 第9番 アンダンテ・ラクリモーソ
5. 第10番 愛の讃歌 
6.-10. コンソレーション S.172 (全曲) 

ASTRÉE E8711/E8712
Recorded: 1985 

〔メモ〕
フランツ・リスト本人も演奏したというシュタイングレーバーによる1873年製フォルテピアノで、詩的で宗教的な調べを全曲録音したボナッタです。彼はバドゥラ=スコダ、マガロフ、アスケナーゼ、ヴィルヘルム・ケンプなどに師事しました。彼の出身地はイタリアのボルツァーノで、その地で開催されているブゾーニ・コンクールの役員や審査員などを務めたこともあります。現在は教育に力を入れているようです。
演奏は無駄な力みがなく純朴な演奏です。シュタイングレーバーのフォルテピアノも現代のグランドピアノと比べると線の細い素朴な音色です。そして(専門的なことはよくわかりませんが)残響として増幅される音の周波数が現代ピアノと違い特殊な音響効果を出しているように聴こえます。 

「リストは大勢に聴かせるようにピアノを演奏する」というショパンの有名な言葉がありますが、この曲集をこの演奏で聴くとリストの独白に思えて仕方がありません。

フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→エトヴィン・フィッシャー→パウル・バドゥラ=スコダ→アンドレア・ボナッタ
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→ニキタ・マガロフ→アンドレア・ボナッタ
フランツ・リスト→エミール・フォン・ザウアー→ステファン・アスケナーゼ→アンドレア・ボナッタ
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ヴィルヘルム・ケンプ→アンドレア・ボナッタ 


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February 02, 2013

世界の偉大なるピアノ音楽 第90巻

The Great Piano Music of the World 90

ベーラ・バルトーク 

gpm90
※リンク先はアメリカのアマゾン(Amazon.com)です

ピアノソナタ Sz.80*
組曲 Op.14"
アレグロ・バルバロ Sz.49"
3つのブルレスケ Op.8c*
民謡による3つのロンド Sz.84* 
3つのハンガリー民謡 Sz.66*
ルーマニア民俗舞曲 Sz.56*
2つのルーマニア舞曲 Op.8a* 
ハンガリー農民の歌* 

*リューボフ・チモフェーエワ
"グリゴリー・ギンズブルグ(アントン・ギンズブルグ) 

Melodiya DE 0210

〔メモ〕
派手さはないが堅実でオーソドックスなチモフェーエワ。もう一人の方はG.Ginsburgとクレジットされていますが、おそらくグリゴリー・ギンズブルグではなく、アントン・ギンズブルグの演奏だと思います。(僕が知る限り)グリゴリーはこれらの曲を録音していませんし、アントンはこれらの曲をメロディアに録音しています。

フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→ヤコフ・ザーク→リューボフ・チモフェーエワ 
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル→グリゴリー・ギンズブルグ 
(フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→アントン・ギンズブルグ) 


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January 24, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.88

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・断章 4 

Disc.88
1. マゼッパ - 交響詩 第6番 S.511c 
2. ワルツ S.210b
3. レントラー S.211a
4. ドゥムカ S.249b
5. コサックの旋律 S.249c
6. 葬送行進曲 S.226a
7. ハンガリーのテンポ S.241b 
8. 羊飼いの結婚式 - ハンガリーの旋律 S.405 (フェシュテティチ)  
9. ラフの《ワルツ Op.54/1》への序奏とコーダ S.551a
10. ルビンシテインの《練習曲 "間違った音符による"》への序奏とコーダ S.554a 
11. スメタナの《ポルカ》への序奏とコーダ S.570 
12. タウジヒの《ヴァルス・カプリス 第3番》への序奏と終結部 S.571a (J.シュトラウスⅡ世) 
13. メフィストワルツ 第3番 〔第1草稿〕 S.215a 
14. 小ワルツ "3つの忘れられたワルツへの後奏曲" 〔補筆:ハワード〕 S.695e 
15. 華麗なる大ワルツ "ベルンの舞踏会" 〔第1稿〕 S.209 

Recorded: 1997/1998  

〔メモ〕
〔1〕リストの交響詩「マゼッパ」を音楽家テオフィル・フォーシュハマーがピアノ独奏編曲し、リスト本人がその編曲を手直ししたもの。このフォーシュハンマー版は未出版で、この自筆譜(リストによる訂正付き)はブダペストのリスト・リサーチセンターに所蔵されている。ちなみに交響詩マゼッパのピアノ独奏編曲は、他にルートヴィヒ・シュタルクによるものもある。 〔2〕1995年にパリのとある自筆原稿の販売展で出品されたもの。自筆譜にはタイトルとして「Walse」と書かれている。アメリカではこの作品を音楽学者レナ・チャーニン・ミュラーが出版している。 〔3〕~〔5〕リュドミラ・ザモイスカ伯爵夫人の蔵書から見つかった作品群で、3曲全てファクシミリ版として出版されている。伯爵夫人とこれら作品群がどのように関連があるのか不明。 〔6〕父アダム・リストの死に直面した時に作曲された。この作品はブーローニュにて1827年8月30日に書かれたが、これは父の死の二日後にあたる。専門家曰く、英雄的表現はベートーヴェンの影響を覗かせる。 〔7〕「ハンガリー狂詩曲 第6番」(Disc.33)と共通の旋律を使用した小品。自筆譜はオックスフォード大学のボドリアン図書館に所蔵されている。 〔8〕レオ・フェシュテティチ伯爵の作品「羊飼いの結婚式」にリストが装飾音を施したもの。 〔9〕~〔12〕既に完成している他人の作品に対して序奏とコーダを付けくわえたもの。 〔9〕リストサークルの一員だったヨアヒム・ラフの「奇想舞曲 Op.54/1」に序奏とコーダを付け加えたもの。リナ・ラーマンの著書「Liszt-Pedagögium」に掲載されたが、「変イ調のワルツ」への追加と誤って言及された。後に正しい作品(Op.54/1)が判明する。 〔10〕リストサークルの一員だったアントン・ルビンシテインの「間違った音符による練習曲(ハ長調)」に序奏とコーダを付け加えたもの。当初誤って「スタッカート練習曲 Op.23/2」への追加と言及された。未出版であり自筆譜はアメリカ議会図書館に所蔵されている。リストは追加のみではなく、この曲の編曲もしようとしていたという説もある。 〔11〕スメタナの「サロンポルカ Op.7/1」に序奏とコーダを付け加えたもの。「Liszt-Pedagögium」に収録。またピアニストのレイモンド・レーヴェンタールによる編集で出版されたこともある。 〔12〕リストの弟子カール・タウジヒの作品「新ウィーンの夜会 - ヴァルス・カプリス 第3番」はヨハン・シュトラウスⅡ世の「投票 Op.250」を原曲とする奇想ワルツ。この作品への序奏と終結部。かつてアメリカでこの序奏部と終結部のみが独立した作品として出版されたこともあった。音楽学者ロバート・スレルフォールがこの作品をタウジヒの作品への追加部と断定した。自筆譜はアメリカ議会図書館に所蔵。 〔13〕「メフィストワルツ 第3番 S.216」(Disc.20)の未出版の初稿。 〔14〕「3つの忘れられたワルツ (第1番~第3番)」(Disc.20)へ付随する曲として作曲された未完の作品をハワードが補筆したもの。この曲が作られた当時まだ「忘れられたワルツ 第4番」は存在しなかった。 〔15〕曲集「3つの奇想ワルツ S.214」の第1番「華麗なるワルツ」(Disc.20)の初稿。「ベルンの舞踏会」というタイトルで出版されたこともあった。   

 


HMV : レスリー・ハワード リスト ピアノ作品全集
タワレコ : レスリー・ハワード リスト ピアノ作品全集 


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January 20, 2013

世界の偉大なるピアノ音楽 第87巻

The Great Piano Music of the World 87   

モーリス・ラヴェル 

gpm87
※リンク先はアメリカのアマゾン(Amazon.com)です

亡き王女のためのパヴァーヌ (ラヴェル)
鏡 (ラヴェル)
クープランの墓 (ラヴェル) 

ヴィクトル・エレシコ 

Melodiya DE 0207 

〔メモ〕
エレシコのラヴェルは豪快なヴィルトゥオーゾタイプ。

フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→コンスタンティン・イグムノフ→ヤコフ・フリエール→ヴィクトル・エレシコ 


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January 15, 2013

Valerie Tryon: A LISZT Odyssey

ヴァレリー・トライオン 

A LISZT Odyssey 

tryon apr

Disc.1
  2つの演奏会用練習曲 S.145
1. 森のざわめき
2. 小人の踊り 
3. 泉のほとりで S.160/4
4. エステ荘の噴水 S.163/4
5. 静かな炉端で (マイスタージンガー) S.448 (ワーグナー=リスト)
6. イゾルデの愛の死 S.447 (ワーグナー=リスト) 
7. ハンガリー狂詩曲 第11番 S.244/11
8. 春の夜 S.568 (シューマン=リスト) 
9. 献呈 S.566 (シューマン=リスト) 
  ピアノ独奏のための歌の本 第2巻
10. おお、私がまどろむとき S.536 
11. どのように、と彼らは言った S.535
12. 息子よ、私が王ならば S.537 
13. すてきな芝があり S.538 
14. 墓と薔薇 S.539 
15. ガスティベルザ S.540 
16. 葬送曲 S.173/7 

Disc.2 
1. 《ファウスト》のワルツ S.407 (グノー=リスト)
  巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ S.162 
2. ゴンドラ漕ぎの女
3. カンツォーネ
4. タランテラ
5. ローレライ 〔第2稿〕 S.532 
6. お気に入りの小ワルツ S.212
7. ワルツ形式のアルバム・リーフ S.166 
8. アルバム・リーフ S.165 
  ピアノ独奏のための歌の本 第1巻 S.531
9. ローレライ 〔第1稿〕
10. ライン河、その美しい流れに
11. ミニョンの歌
12. トゥーレの王
13. 天から来たりし御身
14. ブロンドの小さな天使
15. ハンガリー狂詩曲 第12番 S.244/12

apr APR 7039 
Recorded: 2001/2000 

〔メモ〕 
ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックに最年少で入学を許された一人であり、パリではジャック・フェヴリエに学んだトライオンのリスト集2枚組です。彼女は膨大なレパートリーを所有し、特にロマン派音楽ショパン、リスト、ラフマニノフなどを得意としています。またその活動、功績に対し、彼女はハンガリー政府からフランツ・リスト勲章を授与されています。
彼女は職人肌のピアニストで、仕事をキッチリこなすタイプです。自分の個性を出すというよりは、楽譜に書かれていることを忠実に音に昇華しようという姿勢が見えるような気がします。職人肌ということで基本的な技術もしっかりしています。このような解釈の演奏は初めてその作品を聴く際に適していると思います。「ああ、この作品はこういう曲なのか」と、その作品の誇張されていない等身大を聴くことができます。
またもうひとつの注目すべき点は、珍しいレパートリーでしょう。「歌の本」(2集、全12曲)がこのクオリティで聴けるというのも素晴らしいです。

ちなみにブックレットの解説は著名なリスト研究家アラン・ウォーカーによるものです。

フランツ・リスト→カール・クリントヴォルト→エドゥアール・リスレール→ジャック・フェヴリエ→ヴァレリー・トライオン 


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January 11, 2013

世界の偉大なるピアノ音楽 第86巻

The Great Piano Music of the World 86 

クロード・ドビュッシー 3 

gpm86
※リンク先はアメリカのアマゾン(Amazon.com)です

前奏曲集 第2集 (ドビュッシー)*
版画 (ドビュッシー)*  
ピアノのために (ドビュッシー)"  

*イーゴリ・コマリョフ  
"ヴラディーミル・バーク  

 Melodiya DE 0206 

〔メモ〕
シンプルな解釈の前奏曲と版画。テンポゆったりめのピアノのために。

フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→ヤコフ・ザーク→ヴラディーミル・バーク 


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January 03, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.87

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・ 断章 3 

Disc.87 
1. いざ楽しまん - パラフレーズ 〔第2稿〕 S.240ii
2. ハンガリー狂詩曲 第2番 〔異稿〕〔カデンツァ:リスト〕 S.244/2bis
3. ハンガリー狂詩曲 第10番 〔異稿〕 S.244/10bis
4. ハンガリー狂詩曲 第15番 〔異稿〕 S.244/15bis
5. ハンガリー狂詩曲 第16番 〔第1稿〕 S.244/16i 
6. ハンガリー狂詩曲 第18番 〔コーダ第1稿〕 S.244/18i
7. メフィストポルカ 〔通常稿〕 S.217ii
8. ハンガリー狂詩曲 第18番 〔コーダ第2稿〕 S.244/18ii 
  3つの演奏会用練習曲 - 3つの詩的カプリース
9. 第3番 ため息への2つのカデンツァ S.144/3ter
10. アルバムリーフ "荘厳ミサのアニュス・デイ" S.167c
11. アルバムリーフ "オルフェウス" S.167d
12. アルバムリーフ "理想" S.167e 
13. 聖スタニスラウスの断章 S.688a
14. ぶどうを作る人の合唱 "プロメテウス" 〔未完〕 S.692e
15. マンドラゴラ "オペラ《ニヴェルのジャン》のバラード" 〔未完〕 S.698 (ドリーブ) 
16. グラスゴーの断章 S.701f
17. オペラ風アリアとしたためられた変奏曲 S.701h/1
18. 地獄のワルツ S.701h/2 (マイアベーア)
19. アレグロ・マエストーソ "嬰ヘ長調の練習曲?" 〔未完〕 S.692c
20. ラーコーツィ行進曲 〔第1稿・簡易稿〕〔未完〕 S.692d
21. 博愛による調べ 〔未完〕 S.701j (ロッシーニ)
22. マリーの詩 〔未完〕 S.701b
23. アンダンテ・センシビリッシモ S.701c 
24. ドリア旋法の旋律 S.701d
25. ダンテの断章 S.701e
26. ポーランド風 S.701g
27. 修正譜 "悲しみのゴンドラ" S.701k 

Recorded: 1997/1998 

〔メモ〕
〔1〕「いざ楽しまん - パラフレーズ」の未出版の改訂稿。出版された第1稿はDisc.29に収録。 〔2〕リストは後年「ハンガリー狂詩曲 第2番」へ追加のパッセージをいくつか書いた。その後に書かれた追加部を採用してハワードが録音したもの。またこの曲はカデンツァを挿入してよい箇所があることで有名だが、ここではリストが書いた二つのカデンツァのうちの短い方を採用している。「ハンガリー狂詩曲 第2番」の長いカデンツァが付いた通常稿はDisc.33に収録。 〔3〕「ハンガリー狂詩曲 第10番」のオッシアを演奏したもの。通常稿はDisc.34に収録。 〔4〕「ハンガリー狂詩曲 第15番 - ラーコーツィ行進曲」のオッシアを演奏したもの。通常稿はDisc.34に収録。 〔5〕「ハンガリー狂詩曲 第16番」の初稿。最初に出版されたもの。改訂稿はDisc.34に収録 〔6〕リストは「ハンガリー狂詩曲 第18番」のコーダを書き換える試みを2度した。そのひとつ目。未出版。通常稿はDisc.34に収録。 〔7〕「メフィストポルカ」の通常稿。多くのピアニストが演奏しているのはこちらのバージョン。オッシアを演奏した異稿はDisc.21に収録。 〔8〕リストは「ハンガリー狂詩曲 第18番」のコーダを書き換える試みを2度した。そのふたつ目。未出版。通常稿はDisc.34に収録。 〔9〕リストは「ため息」へのカデンツァをいくつか書いている。ここに収録されているふたつはルイーザ・コグネッティとエドゥアルト・ダンロイターのために書かれたもの。 〔10〕リストの「ミサ・ソレムニス」の「アニュス・デイ」からの抜粋によるピアノ曲。リストの作品カタログによっては「《グランのミサ》のポコ・アダージョ」と呼ばれることもある。 〔11〕交響詩「オルフェウス」の旋律を使用した小品。 〔12〕交響詩「理想」の旋律を使用した小品。しかし同じく交響詩「理想」を素材として作られた作品「芸術家のための祝祭行進 S.520」のほうに近い。 〔13〕未完のオラトリオ「聖スタニスラウス」の断片。このスケッチはアメリカ議会図書館に所蔵されている。 〔14〕合唱曲「解き放たれたプロメテウスへの合唱」の「刈入れ人の合唱」のピアノトランスクリプションの自筆譜の続きに書かれている未完のスケッチ。 〔15〕ドリーブのオペラ「ニヴェルのジャン」の序曲の主題とバラード部分の序奏の編曲。未完。 〔16〕音楽学者でリスト信奉者であるウィリアム・ライトがグラスゴーに所蔵されていた詳細不明の断片をハワードへ提供したもの。オペラ幻想曲風だが、(仮にそうだとして)原曲は不明。 〔17〕その名の通りオペラ風アリアとその主題の変奏。リスト青少年期の未完の作品。 〔18〕トラック〔17〕と同じ自筆譜に書かれた断片。マイアベーアのオペラ「悪魔のロベール」の「地獄のワルツ」より。 〔19〕音楽学者ウィリアム・ライトが発見した断片。後に超絶技巧練習曲となる曲集「12の練習曲 S.136」は当初48曲完成させる予定だった。この断片は嬰ヘ長調の練習曲の冒頭部分となるものだった可能性がある。 〔20〕リスト研究家マリア・エックハルト女史が発見した「ラーコーツィ行進曲 〔第1稿〕 S.242a」(Disc.30)の自筆譜に同じく書かれている未完成の簡易稿。 〔21〕ロッシーニの合唱曲「博愛」の主題を使用した小品。「詩的で宗教的な調べ」の一曲「パレストリーナによるミゼレーレ」の次に配置されるよう指示が書かれている。つまり曲集「詩的な宗教的な調べ」に組み込む構想もあった。 〔22〕オーギュスト・ブリゾーの詩に触発されて書いた作品。「マリーの詩による6つの歌」という作品になるはずだったが、残されているのはこの1ページのみ。 〔23〕詳細は不明。自筆譜はアメリカ議会図書館に所蔵されているスケッチ(の下部に殴り書きしてあるもの)。「avec miaulement(猫の鳴きマネを添えて)」と書いてあることから、リストが戯れに書いた作品と思われる。 〔24〕「死の舞踏」の主題を抜粋した小品。 〔25〕「ダンテソナタ」の最初期の断片。 〔26〕曲集「クリスマスツリー」の一曲として構想されたものだが、結局採用されず別の曲(同名の曲)にとって代わられた。 〔27〕「悲しみのゴンドラ」の初期稿の終盤の改訂案。とあるリストの手紙に添付されていたもの。この自筆譜は現在ボローニャのリスト協会で保管されている。 




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タワレコ : レスリー・ハワード リスト ピアノ作品全集 


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December 30, 2012

世界の偉大なるピアノ音楽 第85巻

The Great Piano Music of the World 85

クロード・ドビュッシー 2 

gpm85
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前奏曲集 第1集 (ドビュッシー) 
映像 第1集 (ドビュッシー)
映像 第2集 (ドビュッシー) 

イーゴリ・コマリョフ

Melodiya DE 0205   

〔メモ〕
タッチの精妙さを若干欠いているものの、解釈の流れ自体は好きな演奏です。本当にコマリョフの演奏かどうかはわかりません。


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December 26, 2012

Années de Pèlerinage: Italie - Prima Versione Inedita

エマヌエーレ・アルチウリ 

Années de Pèlerinage Deuxieme Année: Italie - Prima Versione Inedita

arciuli

1. 婚礼 〔第1稿〕 S.157a
2. 物思いに沈む人 〔第1稿〕 S.157b
3. サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ 〔第1稿〕 S.157c
  3つのペトラルカのソネット 〔第1稿〕 S.158
4. ペトラルカのソネット 第104番
5. ペトラルカのソネット 第47番
6. ペトラルカのソネット 第123番
7.-8. 神曲への補遺 S.158a 
9. 婚礼の草稿 (断片) 

stradivarius STR 33417 
Recorded: 1996 

〔メモ〕
これら録音当時、3つのペトラルカのソネット以外は全て未公開の初期稿でした。音楽学者ピエロ・ラッタリーノにこれら初期稿の存在を教えてもらい研究することを奨励され、奏者エマヌエーレ・アルチウリはワイマールのゲーテ=シラー・アルヒーフに問い合わせて、ワイマールに滞在し自筆譜を研究したそうです。
やはり最も興味深いのはダンテソナタの初期稿である「神曲への補遺(パラリポメナ)」でしょう。奏者が執筆したブックレットによると、この2部構成の「神曲へのパラリポメナ - F.リストによる交響的幻想曲」をリストは1939年にウィーンで演奏しているとのことです。また奏者はリスト本人が「第1楽章」「第2楽章」という言葉ではなく「第1部」「第2部」という言葉を使用していることにも注目しています。ソナタなどの絶対音楽では「楽章」という言葉を使うが、演劇や劇的音楽作品などでは第1部、第2部という言葉を使用するという理由からです。

他に興味深い作品としては婚礼の未完成の草稿もトラック〔9〕に収録されています(6分弱)。これはトラック〔1〕よりも前に書かれたものです。

アルチウリはヴィンチェンツォ・ヴィターレ、パオロ・ボルドーニ、レオン・フライシャー、ジェルジ・シャーンドル、ミシェル・ダルベルト、マウリツィオ・ポリーニに教えを受けたピアニストです。演奏は癖があり、独特の間があります。 

フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→ベーラ・バルトーク→ジェルジ・シャーンドル→エマヌエーレ・アルチウリ 
フランツ・リスト→エミール・ザウアー→レイモン・トルアール→ミシェル・ダルベルト→エマヌエーレ・アルチウリ 


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December 23, 2012

フランツ・リストは最高のエレジー作家

エレジー(悲歌、哀歌、挽歌)とは悲しみや嘆きを表現した作品です。自分が知らないだけかもしれませんが、ピアノ曲での花形ジャンルはソナタ、バラード、エチュードなどであり、エレジーはそれほど目立っていると思えません。しかしこのエレジーというジャンルに注目しながらリスト作品を眺めていると、リストにとって重要なジャンルであったのではないかと思えます。ここでリストの注目すべきエレジーたちをいくつかまとめてみたいと思います。

● 2つのエレジー
リストが直接的にエレジーと名付けた作品である「エレジー 第1番 S.196」と「エレジー 第2番 S.197」があります。特に第2番の方は素晴らしい作品で、音楽学者ウィリ・アーペルも「特筆すべき立派な作品」と言及しています。ちなみに他には「ルイ・フェルディナントの動機によるエレジー S.168」という作品もあります。
YouTube: エレジー 第1番 S.196 
YouTube: エレジー 第2番 S.197 

● 悲しみのゴンドラ
「悲しみのゴンドラⅠ S.200/1」と「悲しみのゴンドラⅡ S.200/2」があります。これらは「第3エレジー(Troisième élégie)」と名付けられる予定もあったそうです。ワーグナーの死を予感して書かれたと言われています。上記2つのエレジーは認知されているとは言い難いですが、こちらの悲しみのゴンドラは現在ではリストの代表曲として演奏される機会も多いです。
YouTube: 悲しみのゴンドラⅠ S.200/1 
YouTube: 悲しみのゴンドラⅡ S.200/2 

● エステ荘の糸杉に
巡礼の年第3年全7曲のうち4曲はエレジーです(2、3、5、6番)。ここでは2つの「エステ荘の糸杉に」に注目してみましょう。巡礼の年第3年の第2番と第3番は「エステ荘の糸杉にⅠ」と「エステ荘の糸杉にⅡ」です。エステ荘の噴水の陰に隠れがちですが、こちらの2曲も素晴らしい名曲です。特にⅠの方がよく取り上げられます。
YouTube: エステ荘の糸杉にⅠ S.163/2 
YouTube: エステ荘の糸杉にⅡ S.163/3 

● ノネンヴェルトの僧房 
リスト自身が何度も改訂したほど思い入れのある作品。ほとんど演奏される機会はありませんが、僕はアンスネスのCDでこの作品を知り、その魅力に惹きこまれました。こちらも「ピアノ独奏のためのエレジー」という副題が付いています。
YouTube: ノネンヴェルトの僧房 〔第4稿〕 S.534iii 


これら作品は「素直に美しい」とは言えません。それは醜いと言いたいわけではなく、ある種のグロテスクさや歪さの中に潜む「別の形の美しさ」があると思います。僕は絵画にはまったく詳しくないのですが、例えるならルーベンスの絵画に通ずるようななおどろおどろしさを感じます。

余談ではありますが、リスト以後の作曲家で注目すべき「エレジー」をピアノ作品として書いたのはリスト信奉者であったブゾーニとバルトークです。これは偶然なのでしょうか?


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